本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
高難度加工を扱う一方で収益管理に課題がある加工会社のM&A・事業承継について寄せられたご相談です。
目次
赤字の原因と、高難度加工を続ける条件を分ける
赤字が続き資金繰りが厳しい中で、高難度加工を続ける条件を検討したご相談です。技術力があるという説明だけで収益改善を見込まず、どの品目や費用が赤字に関係するかを整理します。
検討資料と、それぞれの確認事項
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 品目別採算と見積資料 | 売価、材料・加工負担、受注条件を同じ基準で確認する |
| 固定費と月次推移 | 継続的な費用と一時的な支出を分け、赤字要因を説明する |
| 設備余力と工程記録 | 高難度加工に必要な設備・技能と、追加対応できる範囲を示す |
| 資金繰りと改善案 | 支払時期、当面必要な資金、改善の前提と未確認事項を整理する |
候補先との比較と、未決の条件
生産管理に強い同業会社を候補として考えます。相手の営業力や管理体制で対応できる課題と、対象会社側で先に整理すべき課題を分けます。
営業と管理の改善可能性を検討しますが、黒字化を保証するものではありません。必要な人員、設備投資、実行までの費用を整理し、雇用や受注を続ける条件とともに協議します。
引継ぎ担当と、残しておく未確認事項
見積担当と経理担当は採算の集計方法を揃え、現場は加工時間や不良の記録を説明します。改善案には担当と確認時期を置き、資金繰りの見通しと混同しないようにします。 雇用継続、社長の引継ぎ期間、キーマンの処遇、取引先への説明時期、設備投資の扱いも、担当と未決条件を分けて協議します。
ご相談で整理した確認事項
赤字理由を分解することが検討の入口です。技術の強みと、利益を出すために必要な対応を両方示し、改善や成約を保証しません。
製造業M&A総合センターでは、譲渡企業様、つまり譲渡企業側からは着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針で相談を受けています。まだ売却を決めていない段階でも、工場・設備・従業員・取引先を守るために、どのような準備が必要かを確認できます。
