本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
高精度部品を少量多品種で加工する医療機器部品加工会社のM&A・事業承継について寄せられたご相談です。
高い品質要求を、記録と担当者で説明する
品質保証の体制をどのように引き継ぐかについて、候補先が確認する論点を整理したご相談です。「高精度に加工できる」という説明だけでなく、検査成績書、測定機器の校正、工程の記録が対象品番に対応しているかを確認します。顧客の要求と、自社が担う部品加工の範囲も分けて整理します。
検討資料と、それぞれの確認事項
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 検査成績書 | 対象品番と測定・判定の記録を対応させる |
| 測定機器の校正記録 | 使用している機器と、確認担当・管理状況を示す |
| 工程能力に関する資料 | 対象工程、確認に使った条件、説明できる担当者を整理する |
| 顧客監査記録 | 要求事項や指摘への対応を、現在の加工工程と照合する |
候補先との比較と、未決の条件
医療機器関連企業を比較対象にします。少量多品種の高精度部品を、相手の事業のどこで扱うかを検討し、検査方法や記録を同じ運用で続けられるかを確認します。顧客の名称や要求仕様の詳細は、開示の範囲を確認してから共有します。
品質責任者の残留と、既存顧客との取引継続を確認することを検討条件にします。雇用継続や引継ぎ期間の希望に加え、検査の最終判断や顧客監査の窓口を誰が担うかを協議事項として整理します。部品加工会社の資料だけで製品全体の適合性を断定しません。
引継ぎ担当と、残しておく未確認事項
品質責任者は記録と判定方法、製造担当は加工条件、顧客窓口は要求事項を整理する役割を検討します。資料の欠落や担当者の意向が未確認なら、確認できた事項と分けて説明します。既存取引の継続を確約するものではありません。
ご相談で整理した確認事項
このご相談の中心は、高品質という評判を、記録と運用で説明できるかです。検査資料を渡すことと、同じ品質保証を続ける体制を整えることを分けて比較します。
製造業M&A総合センターでは、譲渡企業様、つまり譲渡企業側からは着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針で相談を受けています。まだ売却を決めていない段階でも、工場・設備・従業員・取引先を守るために、どのような準備が必要かを確認できます。
