本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
設計から試作金型まで対応する金型会社のM&A・事業承継について寄せられたご相談です。
CADファイルと設計の運用を一緒に引き継ぐ
CADデータと顧客別仕様の管理が属人化していることが課題となったご相談です。ファイルが保存されていることと、次の担当者が最新版を見分け、設計変更を説明できることを分けます。設計から試作金型までの仕事を、データの保管・承認・顧客対応という運用で確認します。
検討資料と、それぞれの確認事項
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| データ管理ルール | 保管場所、版の区別、変更履歴、閲覧範囲を整理する |
| 金型台帳 | 対象金型と設計データ、顧客別仕様を対応させる |
| 設計者の担当表 | 得意領域、進行中の案件、引継ぎが必要な判断を分ける |
| 顧客対応記録 | 仕様変更や試作の確認事項を、担当者と案件別にまとめる |
候補先との比較と、未決の条件
成形メーカーを候補先の業態として検討します。相手が持つ成形工程と、対象会社の設計・試作金型の業務をどうつなぐかを比較します。CADデータや顧客仕様を開示する際には、その利用範囲と顧客への義務を確認し、ファイル一式を無条件に渡すことは前提にしません。
設計者の残留と顧客対応の引継ぎを検討条件に置きます。雇用や処遇の希望に加え、進行案件を誰が担当するか、過去設計への問合せをどう扱うかを協議事項として整理します。データ管理を整えたことで評価が高まった、成約したという結論は置きません。
引継ぎ担当と、残しておく未確認事項
設計者と管理担当が、金型番号・顧客仕様・ファイルの版を照合して引継ぎ一覧を作る方法を検討します。特定の設計者しか分からない判断は、対象案件と必要な説明を明記します。設計資料の欠落や利用範囲の未確認も一覧から除かず残します。
ご相談で整理した確認事項
このご相談では、設計資産をファイルの量だけで説明せず、運用ルールまで含めて示します。データを渡す範囲と、そのデータを使って仕事を続ける担当の範囲を分けることが検討の軸です。
製造業M&A総合センターでは、譲渡企業様、つまり譲渡企業側からは着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針で相談を受けています。まだ売却を決めていない段階でも、工場・設備・従業員・取引先を守るために、どのような準備が必要かを確認できます。
