本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
Tier2として量産部品を供給する自動車部品加工会社のM&A・事業承継について寄せられたご相談です。
顧客集中の数字と取引継続の根拠を並べる
主要顧客への依存度が高い中で、取引継続の条件を整理したいというご相談です。売上比率だけで説明を終えず、どの量産品をどの条件で供給し、受注がどう推移しているかを確認します。将来も発注が続くという推測と、実際に確認できる内示・納入・品質監査の記録を区別します。
検討資料と、それぞれの確認事項
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 顧客別売上と内示推移 | 顧客集中の程度と、対象品番の予定を時期別に比較する |
| 品質監査資料 | 指摘事項と対応状況を、納入している製品と対応させる |
| 納入実績 | 数量・工程・担当者を整理し、継続取引の説明材料を確認する |
| 価格改定履歴 | 材料や加工条件の変化と、顧客への価格改定を照合する |
候補先との比較と、未決の条件
同業サプライヤーを候補先の業態として検討します。現工場を買い手の生産補完拠点として考える場合、設備だけでなく、顧客の要求や品質対応を引き継げるかを確認します。相手に別の顧客がいることだけで集中リスクが解消すると判断しない構成です。
長期取引が続いてきた理由の確認と、生産補完拠点としての役割を比較条件にします。既存顧客への説明時期、供給する品番、雇用継続や引継ぎ期間の希望を並べます。取引先の意向が未確認なら、継続取引に合意したという記載は置きません。
引継ぎ担当と、残しておく未確認事項
営業担当が内示と価格改定、品質担当が監査と指摘対応、製造担当が量産工程を説明する役割を検討します。社長しか把握していない顧客との約束があれば、記録の有無を確認して、開示できる範囲で引継ぎ資料へまとめます。
ご相談で整理した確認事項
顧客集中は売上比率と取引継続の根拠をセットで説明する論点です。過去の関係と将来の見込みを分けることで、相手が慎重に確認したい点も明らかにして比較できます。
製造業M&A総合センターでは、譲渡企業様、つまり譲渡企業側からは着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針で相談を受けています。まだ売却を決めていない段階でも、工場・設備・従業員・取引先を守るために、どのような準備が必要かを確認できます。
