本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
樹脂・化学材料を加工販売する会社のM&A・事業承継について寄せられたご相談です。
原材料高と製品別粗利を時期で照合する
原材料高に伴う粗利の低下を、承継に向けてどう説明するかというご相談です。利益の減少が一時的か継続的かを最初から決めず、材料価格・販売価格・製品構成を同じ期間で比較します。価格改定の余地は、希望する改定と、顧客に確認できた改定を区別して整理します。
検討資料と、それぞれの確認事項
| 資料 | 確認する内容 |
|---|---|
| 材料価格の推移 | 仕入れ時期と価格を整理し、対象製品の材料費に対応させる |
| 価格改定履歴 | 改定の申入れ、実施した改定、未決の条件を分ける |
| 製品別粗利資料 | 材料費や加工費の変化と、販売価格・製品構成を照合する |
| 顧客・仕入先の資料 | 価格条件の窓口と、継続取引に関する確認事項を整理する |
候補先との比較と、未決の条件
材料商社を比較対象に置きます。相手の仕入れや販売の体制を利用する案を検討し、どの製品・取引で条件が変わり得るかを確認します。商社との連携だけで粗利が回復すると見込まず、現状と検討案を別々に示します。
一時的な利益低下かどうかと、価格改定の余地を確認することを比較条件にします。雇用継続や社長の引継ぎに加え、顧客への価格交渉と仕入れ条件の調整を誰が担当するかを協議します。未実施の改定を確定収益として扱わず、合意や成約を保証するものではありません。
引継ぎ担当と、残しておく未確認事項
経理担当は期間別・製品別の数値、営業担当は販売価格の改定履歴、購買担当は材料の取引条件を整理する役割を検討します。資料の期間がそろっていないときは、その差を明示し、説明できる数値と追加確認が必要な数値を分けます。
ご相談で整理した確認事項
粗利低下の原因を、材料価格と価格改定の資料で説明できるかがこのご相談の軸です。過去の収益と検討中の改善を分けることで、収益力を判断する前提を候補先と確認できます。
製造業M&A総合センターでは、譲渡企業様、つまり譲渡企業側からは着手金、中間金、月額報酬、成功報酬を含めて手数料をいただかない方針で相談を受けています。まだ売却を決めていない段階でも、工場・設備・従業員・取引先を守るために、どのような準備が必要かを確認できます。
